仕事柄、国内外でそれなりのメーカーのeMTBを乗らせてもらいましたが、各社モアパワーと航続距離に注力してパワーウォーズになっている中、SPECIALIZEDの出した答えはズバリ「軽さ」です。
多くのメーカーはYAMAHAやBOSCH、SHIMANOといったモーターユニットを製造する会社が持つユニットとバッテリーに合わせたフレームを設計してオリジナルeMTBを製造販売しています。
SPECIALIZEDは車体だけでなくモーター・バッテリーまでも自社にて設計開発しているので、必要最小限の強度バランスでフレームを製造することが可能、専用のスマートフォンアプリでアシストユニットやバッテリーのチェックや細かな調整も可能になっています。
もちろん国ごとに定められた法的な機能制限を解除することはできませんのでご心配(?)なく。
ちなみにSPECIALIZEDのディーラーが
TURBOシリーズ(eBIKE)を販売するための契約条件に、「SPECIALIZEDの考えるeBIKEシステムとは何ぞや」といった講義と「実車を使っての分解整備の実技講習」を受講することが必要になっています。
写真は講習時にバイクから外した手のひらサイズのモーターユニットと軽量バッテリー。
このコンパクトなアシストシステムは航続距離(バッテリー容量)や最高出力(パワー&トルク)ではなく、あくまでライダーの補助装置としてのパワーバランスを考えて作られています。
なのでライダーはシフト操作による変速を上手に使ってモーターによるパワーアシストをリンクさせて乗ることを要求されますが、そこは従来のペダルバイクのシフト操作と何ら変わらないので違和感なく対応できると思います。
ENSの期間中に何度かトップライダー達と一緒に登り区間を走りましたが、いつものペダルバイクだとあっという間に置いていかれてしまうのですが、談笑しながら同じペースでの登坂が可能、モーター出力を最強のモードに切り替えると彼らを置き去りにすることすら可能でした・・・もちろん下り区間では各自のペースで安全にライド。
一緒に参加した女性のお客さんにも試乗してもらったところ、ペダルバイクだと軽いギアを使い切ってしまって押し上げなければいけないような林道区間を同行の男性陣すべてを置き去りにして登っていってしまいました。
登りで体力を温存できる分、下りでのバイク操作に余裕が生まれるというのもeMTBのメリットですね。
非力なのででとにかくパワー欲しい、シフト操作をあまり気にしないでグイグイ登って欲しい、トレイルまで自走で行くので航続距離の長いバッテリーが欲しいといったニーズな方は従来のeMTBから好きなブランドやデザインをチョイスして楽しめば良いと思いますが、マウンテンバイクの操作感に少しだけアシストしてもらって、落ちてきた個人のパフォーマンスを助けて欲しいという方には「SPECIALIZED TURBO LEVOシリーズ」は超オススメのゲームチェンジャーだと思います。
ちなみに、当店私情(試乗)車はカーボンフレームの中間グレード「EXPERT」というグレードでお値段は¥869,000(税込)のモデル。
オリジナルの装備をチューブレス化してペダルを付けた状態で実測17.72kg、バラさずクルマのルーフラック(
Thule Upride)に載せられます。
ラインナップは世界限定250台のスペシャルモデル(たぶん完売)
と、量産のカーボンフレームが3モデル、アルミフレームが1モデルになっています。
公表されている重量は「ペダル無し・チューブ入り」で上位機種のS-WORKSが17.35kg、当店試乗車のミドルレンジEXPERTが18.00kg、カーボン製エントリーグレードのCOMPが18.40kg、アルミモデルが19.50kgとなっています。
バッテリー・モーターはすべて共通なので重量差はフレーム素材とコンポーネントの違いです。
詳細は以下のリンクからチェックしてください。
まだまだペダルバイクで楽しみますよ!っていう方にはご縁がないかもしれませんが、「長いことMTBを楽しんできてテクニックはバッチリだけど最近スタミナがね〜」とか「男性陣と走る機会が多くてペースを合わせるのが大変!」とか「最近話題のeMTBを考えてみようかな?」などなど、ご興味のある方は店頭まで試乗にお越しください。
かなり乗り込んでいるコースを走ったら、予想以上に感動モノだったので忘れないうちに書き留めてみました・・・・